2008年6月24日火曜日

Steve Jobs氏のようにプレゼンテーションをする方法

Steve Job氏はかなりセンスと情熱のある方だと思う。
けど最初はかなり失敗を味わってから再び頂点に立った。
彼こそ真の起業家から企業家に成長できたではないかと思う。

Steve Jobs氏のようにプレゼンテーションをする方法

文:Carmine Gallo
翻訳校正:石橋啓一郎
2008/05/21 08:00

Steve Jobs氏のプレゼンテーションには聴衆を動かす力があることで有名だ。この記事では、Jobs氏に学び、プレゼンテーションのためのヒントをまとめる。

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 Steve Jobs氏のプレゼンテーションと他のプレゼンテーションを比べることは不可能だ。彼は、独自の境地にいる。Appleの最高経営責任者(CEO)である彼は、現在のビジネス界でもっともカリスマ性のある宣伝マンだ。彼のプレゼンテーションは、顧客や従業員、そしてコンピュータ業界全体をエバンジェリストに変えてしまう、視覚的な物語りの素晴らしい実演だ。AppleのウェブサイトにはJobs氏の基調講演の動画があり、優れた学習ツールとなる。

 2007年1月、Jobs氏はiPhoneを紹介するプレゼンテーションを行ったが、これはおそらく彼の最高のプレゼンテーションだ。この講演では、彼やその他の、人を奮い立たせることのできるリーダーが使う、聴衆を引き込むテクニックが示されている。読者もこのテクニックを次のプレゼンテーションで使うことができる。

ステップ1:自分の熱意に火を付ける

ゴール:自分の熱意によって、聴衆の感情を引きつける

 Steve Jobs氏は、クールで、面白く、使いやすいコンピュータや音楽プレーヤー、そして新しい電話機を設計することに情熱的だ。そして、堂々とそれを認めている。彼の言葉はその熱意を反映している。次の言葉は、iPhone発売時とそれ以前のプレゼンテーションからのものだ。

「われわれは今日、共にある歴史を作ることになる・・・」

「今日われわれは、革命的な製品を紹介する・・・」

「今朝は、驚くべきものをお見せする・・・・」

「これは恐ろしいコンピュータだ・・・」

「これは、とんでもなく楽しいものだ・・・」

「これは、われわれが動画についておこなってきた中で、もっともクールなことだ・・・」

「われわれはこれについて本当にわくわくしている。これは信じられないものだ・・・・」

 Jobs氏の講演を聞くのは刺激的であり、多くの話し手は彼を自分のプレゼンテーションのロールモデルだと考えている。しかし実際には、ほとんどの話し手は特定の製品や、機能や、サービスについて興奮を顕わにすることはない。彼らは自分の話に情熱を持っていたとしても、他人の前でメッセージを伝えることを求められると、プレゼンテーションモードになる。つまり、真剣で、むっつりして、堅苦しくなるのだ。

 もしあなたが何かを「素晴らしい」と思うのなら、それを表現してしまえばいい。聴衆として、われわれは話し手が興奮し、情熱的になり、楽しむことを許している。結局のところ、もし話し手がその話題について情熱的でなければ、どうして聴衆が情熱的になれるというのだろうか。


してはならないこと

使うべきでない表現

 以下に示すような一定の言葉やフレーズは、意味が無く、平凡で、使われすぎている。これらをすべてプレゼンテーションの中からなくす必要はないが、できるだけ避けるようにした方がいい。

  • 多分
  • ・・・と思う
  • まあまあ
  • ある意味では
  • あのー、などの間を持たせる言葉
  • あらゆる決まり文句(ミッションクリティカル、最適化、収益化、相乗効果、決定的など)

ステップ2:先行きを示す

ゴール:テーマをキャッチフレーズとして示し、聞き手が覚えられるようにする

 Jobs氏は常に鮮やかで力強いビジョンを創り出し、聴衆を彼が見ているよりよい未来の下に集め、彼らを仲間に加える。Jobs氏が元Pepsiの最高経営責任者(CEO)だったJohn Sculley氏をAppleの責任者として迎えようとしていた時、Sculley氏は消極的だった。Jobs氏はSculley氏に「あなたは一生砂糖水を売って暮らすのか、世界を変えたくはないのか?」と聞いた。Jobs氏のビジョンは世界を変えることであり、われわれは彼を信じるのだ。

 Jobs氏はiPhone発売のプレゼンテーションの中で、「今日は、私がこの2年半の間待ち望んでいた日だ」と話した。「時折、すべてを変える革命的な製品が登場する。一生の仕事の中で、1つでもそういうものに関わることができれば幸せなことだ。Appleは、そういうものをいくつか世界に持ち込むことができた、非常に幸せな企業だ」プレゼンテーションのこの時点で、Jobs氏は聴衆にマッキントッシュとiPodを思い起こさせ、彼が次に説明するビジョンを信じるようにし向けている。次に続いたのは「本日、Appleは電話を再発明する!」という言葉だ。

 電話を再発明する。このキャッチフレーズは単純で、力強く、簡潔な核となる目的を表しており、これは聴衆が覚えやすく、信じやすいものだ。これが10ワード以下であることにも注意して欲しい。

具体的な方法

プレゼンテーションのアウトラインを示す

 Jobs氏がビジョンを明確に述べ、簡潔なキャッチフレーズを示した後も、彼はプレゼンテーションのアウトラインを話し、聴衆を導いている。彼は全体の構造を説明することから始め、各部分を開始しては結論し、明瞭な形で先に進めていく。例えば、Macworld 2008の基調講演で、彼は「これはLeopardの完璧な相棒であるTime Capsuleで、これが私が今朝最初にお見せしたかったものだ」と述べている。

 聴衆に話の構造を知らせることで、今全体の話の中でどの位置にいるのかを理解させることができる。

利点を売り込む

ゴール:現実の問題を説明し、ソリューションを示す

 Jobs氏は気の利いた言い回しで核となるビジョンを話した後は、すぐに世界で新しい電話が必要とされる理由についての議論を始める。ソリューションは、現実の痛みを癒すものでなければ、聴衆を引き込むことはできない。Jobs氏は、まず業界の現状を説明することでiPhoneの利点を説明する。彼は問題を次のように説明する。「(スマートフォン)は賢くもなければ、使いやすくもない。われわれは、これまでのどんなモバイル機器よりも賢く、非常に使いやすい画期的な製品を作りたいと考えた。それがiPhoneだ」(Jobs氏)

 Jobs氏は続けて、ほとんどのスマートフォンが持つ問題を説明する。使われていない時でも、キーボードが電話の1/3を占めているというものだ。Appleのソリューションは、ボタンを取り除いて1つの大きなスクリーンを設ける、「革命的なインターフェース」を創り出すことだった。これは、スクロールホイールやスタイラスなしでどうやってその画面を操作するかという別の問題を生む。

 再び、Jobs氏は問題を設定し、ソリューションを提示する。「われわれは、世界でもっとも優れたポインティングデバイスを使うことにした。われわれが生まれつき持っているデバイス、われわれの指だ。」とJobs氏は言う。Jobs氏は次に、Appleの新しい「マルチタッチ」技術を説明する。これは、指の接触に正確に反応し、iPhoneでアプリケーションを動かすものだ。

 多くの話し手は、問題の前にソリューションを説明する。Jobs氏はこれを逆にし、聴衆が話を追いやすくしている。


大きなヒント

他人の潜在能力を引き出す

 Jobs氏は、iPhoneを創り出すために、開発チームに昼夜問わず2年間働くことを求めた。革命的な製品の創造に参加させるためには、チームには常に活力を与えられていなくてはならない。Jobs氏はプレゼンテーションの締めくくりに彼らに聴衆の前で立つことを求め、彼らを公に賞賛することで彼らの努力に報いた。

 Jobs氏が手柄をすべて取ってしまえば、従業員はどう思うだろうか。士気は下がってしまうだろう。むしろ、彼らは家族や製品発表のために集まった何千というメディア、アナリスト、同業者やパートナーの前で賞賛された。

絵を描く

ゴール:プレゼンテーションに魅力的なストーリーを与える

 Jobs氏はiPhoneのストーリーをいくつかのテクニックを使って語っている。

 1.3の法則を守る。われわれは、3つのリストなら覚えられる。Jobs氏はiPhoneを発表し、同時に次のように話してドラマを作った。「今日われわれは、3つの革命的な製品を紹介する。第1は、タッチコントロールを用いたワイドスクリーンiPodであり、第2は革命的な携帯電話だ。そして第3は、ブレイクスルーを引き起こすインターネットコミュニケーション機器だ」強調するために、彼は3つの製品について3回繰り返し、最後にだめ押しをした。「これらは、別々の3つのデバイスではない。これは1つのデバイスだ。本日、Appleは電話を再発明する!」(Jobs氏)

 2.個人的な話をする。プレゼンテーションのある部分で、Jobs氏の機材が突然動かなくなった。彼はそのことを笑顔で話し、舞台裏の誰かが対処することを念頭におきつつ、Appleの共同設立者であるSteve Wozniak氏がテレビジャマーを作り、それを使ってWozniak氏の大学の寮でテレビの信号をブロックした時の話をした。彼はこの機会を利用して、聴衆との感情的な結びつきを強めた。問題が解決すると、Jobs氏はすべてが予定されていたかのように話を続けた。大変なことではないようだが、非常に強力だ。

 3.視覚に訴える。Steve Jobs氏のプレゼンテーションでは、スライドに箇条書きや退屈なデータや数字の羅列は見られない。Jobs氏がiPod、携帯電話、インターネットコミュニケーション機器という3つの製品について説明する際には、スライドには製品のイメージが現れた。彼が「究極のポインティングデバイス」、つまり指について話している時には、スクリーンにはiPhoneに触れている指のイメージが映っていた。

 スクリーンに多くのテキストがあると、話し手の言葉から注意が逸れてしまう。イメージを多用し文章を少なくすることで、視覚と言葉の正しいバランスを取ることだ。

 4.リハーサル。Jobs氏は、プレゼンテーションを何時間もリハーサルする。当たり前のものは何もない。彼はストーリーの流れを知っており、どのように決定的な瞬間を作るかを知っており、何をデモするかを知っており、どのようにプレゼンテーションを始め、終えるかを知っている。彼は軽々とこなしているかのように見えるが、何時間ものリハーサルを行っているからなのだ。人を動かすには準備が必要だ。

話の終わり

楽観的な展望を強調する

 革命的な製品を発売するには楽観的な展望が必要だ。彼がコンピュータを作り始めた最初の時代から、Jobs氏は彼の製品が世界を変えるという固い信念を持っていた。彼はすべてのプレゼンテーションで、希望とチャンスについて語っている。

 iPhone発売のプレゼンテーションの終わり近くで、Jobs氏は次のように言っている。「私の好きな言葉に、昔のWayne Getzkey氏の言葉がある。『私はパックがこれまであった場所ではなく、これから行く場所に滑っていくのだ』というものだ。Appleでは、設立以来ずっとそうしようとしてきたし、これからもそうし続ける(訳注:Getzkey氏はアイスホッケー選手)」プレゼンテーションは常に希望のある言葉で終えることだ。

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